近頃、コロナ禍でメタボ急増!という話題が気になっています。コロナ禍の外出自粛の影響で、通勤もレジャーも減り、運動不足になっているのに、ストレスも伴って飲酒や食生活の偏りもあるのはないでしょうか。メタボリックシンドロームは生活習慣病の前段階と言われていますが、糖尿病などの生活習慣病はコロナウィルス感染後の重症化リスクとなってしまいます。習慣はなかなか変えられないもの。子どもの頃の食生活が大人になってからの肥満にも大きく影響します。子どもの頃からの食育はもちろん、大人の方も食に対する正しい知識を身につけ食生活を見直し、「食育」の実践で、心身ともに健康を保つことがコロナ禍のニューノーマルになれば良いと思っています。
◆ 食育とは
食育とは、農林水産省の食育の推進によると【生きる上での基本であって、知育・徳育・体育の基礎となるものであり、様々な経験を通して「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実現することができる人間を育てること】とあります。
大人になってから食習慣を改めることは難しいのが現実。子どもの頃から生活習慣病の予防になる食生活を身につけることが、生きることのすべての基礎になり、健やかな人生に繋がるというものですね。
◆ 食育って具体的には?
食べることは生きること。普段何気なく当たり前のようにしている食事ですが、大切な命や大地の恵みを頂くことで自分たちが生きていることを理解し、食べ物について学び、調べ、知っていくーそこから食材への感謝の心が養われ、食事のマナーが身に付き、自ら栄養バランスを考えた食事を選択することができるようになります。正しい食の習慣が定着すれば生活習慣病の予防になり、健康的な生活を手に入れることができます。
[食育の例]
- 食事の際の「いただきます」「ごちそうさまでした」の挨拶で、食への感謝の気持ちを育てる。
- 食事の買い物、料理、準備や後片付けを通して、食への関心を高めたり、家族という一つの社会の一員としての自覚を育てる。
- 心身の健康を踏まえた食事の重要性を理解する。(朝食を食べない子どもは学力体力ともに低い傾向)
- 世界の食べ物や郷土料理、旬の食材等、地域の産物や食文化への理解を深め、「主食」「副菜」「主菜」「牛乳・乳製品」「果物」のバランスを考えた食事を自ら選択できるようにする。
- 消費期限やアレルギー表示、食品添加物の表示の見かたを覚えて安全安心な食べ物を選択できる力を養う。
◆ 糖尿病の低年齢化
日本人の糖尿病の約95%が2型糖尿病。昔は糖尿病と聞くと、中高年の病気というイメージだったと思いますが、実は近年、子どもや若年層の糖尿病が増えています。コロナの重症化の若者は糖尿病の持病があったというニュースも耳にしますね。
糖尿病は膵臓から分泌されるインスリンが十分に働かない、もしくはインスリンの分泌が不足して血液中の糖が増えてしまう(血糖値が上がる)病気。人間にとって必要な糖ですが、インスリンの働きにより細胞に取り込まれてエネルギーにならないと、血液中にあふれてしまうのです。日本人のインスリン分泌の能力が欧米人と比べて低いという遺伝的要因があるので、日本人は糖尿病になりやすいと言われていますが、食生活の乱れ・運動不足・ストレスなどの環境的要因も大きく関係しています。
※1型糖尿病は自己免疫異常やその他ウィルス感染などの影響になどよるもの
糖尿病について詳しくはこちら→放っておくと怖い糖尿病 ~糖尿病三大合併症とは~
◆ 現代の食生活:7つの「こ食」は避けましょう
ついつい「こ食」になりがちな現代ですが、食生活を見直し、「体は食べ物でつくられる」と食に対する意識をしっかり持つことが生活習慣病予防にもつながります。
【孤食】一人で食べる。
【個食】家族一人一人が別々のものを食べる。
【固食】好きなもの、決まったものばかりを食べる。
【小食】ダイエットのため等、必要以上に食事量を制限する。
【粉食】固い食物繊維をとらずにパン・パスタなどの粉ものの高カロリーのものばかりを食べる。
【子食】親が不在で、子どもだけで食べる。
【濃食】加工食品や味の濃いものばかりを食べる。
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