◆ タバコがやめられない理由を知っていますか?
タバコを吸うとホッとする・落ち着くからと、自分は「やめられないのではなく、やめたくないだけ」と思っている人が多いのではないでしょうか。
それはタバコに含まれるニコチンが脳に働きかけて、快感や多幸感を引き起こすドーパミンを過剰に分泌させることと深く関係していると思われます。
また、依存性の強いニコチンが切れ、禁断症状でイライラしているところに、タバコを吸うことでニコチンを取り入れて落ち着くというわけです。
そうやってニコチンの欠乏と補給によってどんどん依存が深まっていきます。実はニコチンはコカインやヘロインといった誰でも知っているいわゆる危険薬物と同じくらい依存性が強いのです。
だから「自分は禁煙しようと思えばできる!」と思っていても、そう簡単に思うようにはいかないのです。
◆ ニコチンとタールだけが身体に悪いと思っていませんか?
ニコチンやタール以外にもタバコには危険物質がいっぱいです。
タバコには4000種類以上の化学物質が含まれていて、そのうち有害物質が200種類以上も含まれています。
例えば、ぺンキ除去剤に使われるアセトンや、アリの駆除剤に含まれているヒ素なども含まれています。
それを吸っていると思うと、体に良いわけがなく怖くなりますね。
また、一酸化炭素中毒による死亡のニュースも耳にしたことがあると思いますが、タバコの煙にも一酸化炭素が含まれています。
一酸化炭素は有機物の不完全燃焼で発生するガスです。
無味無臭ですが毒性が強く危険な一酸化炭素を喫煙により吸い込むことで、体内が酸素不足になり身体のさまざまな機能に弊害が起こります。
もちろん皆さんがご存知のように、発がん性物質も多く含まれていて、喫煙によるがん、特に肺がんのリスクは高くなります。
詳しくは、たばこの喫煙と肺がんになるリスク
◆ 禁煙治療が保険適用に
「ニコチン依存症が病気である」と認識され2006 年度より一定の要件を満たせば 健康保険等を使って禁煙治療を受けることができるようになりました。
健康保険適用の4つの条件
- ただちに禁煙しようと思っていること
- ニコチン依存症の(TDS)判定テストが5点以上であること
- 35歳以上の者については、1日の喫煙本数に喫煙年数を掛けた数が200以上であるものであること
- 禁煙治療を受けることを文書により同意していること
※過去に禁煙治療を受けたことがある方も、前回の治療の初回診察日から1年を経過していれば保険適用が可能です。
禁煙治療の流れ
禁煙治療は、12週間が基本です。その間に5回診察を受けることになります。
●初回診察(1回目)
①ニコチン依存症のチェックをして保険診療できるかどうかを確認します。
②喫煙状況とニコチン摂取量の客観的評価と結果説明(呼気一酸化炭素濃度測定等)
③喫煙開始日の決定
④禁煙にあたっての問題点の把握とアドバイス
⑤禁煙補助薬の選択(当院ではバレニクリンを使用)と説明をします。
●再診(計4回)
初回診察から2週間後(2回目)、4週間後(3回目)、8週間後(4回目)、12週間後(5回目)
①喫煙(禁煙)状況や離脱症状に関する問診
②一酸化炭素量の測定
③禁煙を継続するためのアドバイス(ニコチン依存症の対処法など)
④禁煙補助薬の効果の確認、副作用の対応など。
※原則として毎回呼気一酸化炭素濃度測定を行います。
※12週間後の5回目の診察では呼気一酸化炭素濃度測定のみとなります。
禁煙外来は5回の診療ですが、初回と最終の5回目を除く2回目~4回目は通常の対面診療に加え、オンライン診療も選択可能です。(※全てオンライン診療の場合は自由診療となります)
オンライン診療は通院に要する時間や待ち時間がなく、インターネット環境があればスマホやパソコンで場所を選ばずに受診ができます。
病院に足を運ぶことが面倒で禁煙を諦めていた方もオンライン診療を利用してチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
当院のオンライン診療説明ページ