当院ではオンライン診療を始めてから約2年が経ちました。
そこで今回は実際のオンライン診療の状況についてご紹介します。
当院では高血圧や糖尿病などの生活習慣病や睡眠時無呼吸症候群の方が主にオンライン診療を利用しています。
慢性疾患の場合、1か月に1度診察に来られることが多いのですが、
「初診から3か月以上経っていて、なおかつ病状が安定している方」が適応となります。
オンライン診療ではルール上、3か月に1回は対面診察が必要です。
ですから、たとえば
4月 対面診察
↓
5月 オンライン診療
↓
6月 オンライン診療
↓
7月 対面診察
という受診の仕方が可能です。
患者さんはあらかじめオンライン診療アプリ「Clinics」で予約を取ります。当院では現在時刻から3時間後以降の診察枠をいつでも予約することができます。そして保険証を写真で撮ってアプリ上でアップロードしたり、受診の目的や現在の症状などを事前に入力しておきます。
診察時間になると医師からビデオ通話で呼びかけ、患者さんが受けると、オンライン診療が始まります。
実際には自宅で診察を受けられる方が多いのですが、中には職場、外出先、車内からという方もおられます。安定してビデオ通話ができるインターネット環境さえあれば、患者さんはPCかスマホがあればどこでも診察を受けることができるのです。
しかしビデオ通話では触診などで得られる情報が得られず、やはり対面に比べてコミュニケーションの精度が落ちます。
そこで対面診察の質にできるだけ近づけることがポイントになります。
そのためにより簡潔でわかりやすい言葉でこちらの意図を伝えたり、患者さんの状態をできるだけきちんと伝えてもらうような質問をするように心がけています。
診察が終わると患者さんは診療費をアプリ上でクレジットカード決済します。
またお薬は病院から自宅にレターパックで郵送します。院外処方の場合は薬局に処方箋を送付し、患者さんに薬が渡ります。
ここでオンライン診療の患者さんにとってのメリットについてまとめてみたいと思います。
・病院への往復する時間を省ける
・付き添いの方が同行する必要がなくなる
・交通費がかからない(ただしオンライン利用料が別途かかります)
・診察、薬、会計を待つ時間が無い
・他の患者さんや医師以外の病院スタッフと顔を合わせることがない
・診察の直前までと直後から自分の時間が使える
当院では一度オンライン診療を体験された方は、ほとんどの方がそれ以降も継続的に利用される傾向にあります。上記のメリットを享受され、利用する価値を実感できているのだと思います。
次回のブログではオンライン診療が抱える問題点とその対策について書きたいと思います。