大腸ポリープ内視鏡的治療について 「大腸ポリープはお腹を切らずに取れる!?」

大腸ポリープは“がん”なの?!

大腸ポリープとは、大腸の管の表面にある粘膜の層の一部がイボの様に盛り上がってできた球状のコブのようなもの。ポリープって聞くと、がん?!と思ってしまいますが、大腸ポリープは大きく3つに分けられます。

  • ガンとは関係のないもの<非腫瘍性ポリープ>
  • 将来ガンに変化する可能性のあるもの<腫瘍性ポリープ・良性腫瘍(腺腫)>
  • すでにガンに変化しているもの<腫瘍性ポリープ・悪性腫瘍(がん)>

大腸がんは、②の良性腫瘍(腺腫)が悪性化してがんになるパターンが多くみられます。さまざまな臓器のがんがある中で、大腸がんの場合は良性腫瘍(腺腫)のうちにポリープを切除することでがんを予防できるということ。がんになる前に治療ができるということですね。

 

お腹を切らずにポリープを切除

ポリープを切除するとなれば、開腹して手術・・・と怖くなりますが、ほとんどの大腸ポリープは、内視鏡による切除が可能です。内視鏡という小型カメラや器具を肛門から挿入してポリープを切り取ります。開腹して行う、いわゆる「外科手術」ではなく「内視鏡を用いた治療」ということになります。この場合、術後の痛みが少なく、回復が早いので日常生活に与える影響も少なく、患者さんの負担を減らす治療と言えるでしょう。(※進行度合いや既往歴によって開腹手術となる場合もあります。)

 

大腸ポリープの内視鏡的治療の方法

小さなポリープには「ホットバイオプシー」

鉗子(かんし)でポリープをつまみ、高周波の電流を流して根もとを焼き切ります。

茎のある形のポリープには「ポリペクトミー」

スネアという輪状のワイヤーをかけて、徐々にワイヤーを締めていき高周波電流を流して切り取ります。

茎のない平坦な形のポリープには「EMR」

ポリープがある粘膜の下に薬液を注入し、病変を持ち上げてスネアをかけ、ポリペクトミーと同様に切り取ります。

大きいポリープには「ESD」

 (※粘膜層までにとどまっている早期ガンの場合)
ポリープがある粘膜の下に薬液を注入し、電気メスで周囲の粘膜を少しずつ切開して剥離し切除します。

 

いずれの場合でも、大腸の粘膜には知覚神経がないので通常痛みは感じることはありませんが、当院では内視鏡を挿入する違和感を緩和するため鎮静剤を使用しています。

初期には症状がなく気づきにくい大腸がんですが、日本人の男女ともに死因のTOP3に入っています。発症率が高い40歳からは是非健診を受けて頂きたいですね。ポリープの段階や早期がんは内視鏡的治療で根治が可能なので、早期発見が本当に大切です。

 

〈大腸ポリープ〉

 

〈ポリープにスネアと呼ばれる輪っかをかけたところ〉

 

〈ポリープ切除後〉
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