インフルエンザにかかった場合、本人の体力回復と他の人への感染を防ぐために、学校や会社は休むことになります。特に学校については、法律で出席停止の期間が定められています。
(※会社については就業規則などで定められている場合があります。)
インフルエンザ登校制限早見表
では、インフルエンザにかかって学校や会社を休んだ後、再び登校や出勤をする際には、治癒を証明する書類は必要となるのでしょうか。実際に「登校許可書」や「治癒証明書」の提出を求められた経験がある人もいるでしょう。
ですが実は、治癒証明書の提出に法的根拠はありません。厚生労働省が毎年インフルエンザQ&Aを発表していますが、令和元年度のインフルエンザQ&Aでは以下のようになっています。
◆ 会社の場合
職場が従業員に対して、「治癒証明書」や「陰性証明書」の提出を求めることは望ましくないとしています。
<厚生労働省インフルエンザQ&A引用>
診断や治癒の判断は、診察に当たった医師が身体症状や検査結果等を総合して医学的知見に基づいて行うものです。
インフルエンザの陰性を証明することが一般的に困難であることや、患者の治療にあたる医療機関に過剰な負担をかける可能性があることから、職場が従業員に対して、治癒証明書や陰性証明書の提出を求めることは望ましくありません。
◆ 学校の場合
学校から検査の実施や治癒証明書を全てに一律に求める必要はないとされているので、「登校許可書」や「治癒証明書」などの提出を求めるかどうかは自治体などに委ねられているのが現状です。
<厚生労働省インフルエンザQ&A引用>
「学校において予防すべき感染症の解説〈平成30(2018)年3月発行〉」によると、「診断は、診察に当たった医師が身体症状及び検査結果等を総合して、医学的知見に基づいて行うものであり、学校から特定の検査等の実施を全てに一律に求める必要はない。治癒の判断(治癒証明書)も同様である。」とされています。
とはいえ、大切な子どもたちを預かる学校の立場としては感染の拡大を防ぐためにも、実際には医師による治癒の証明として「登校許可書」「治癒証明書」の提出が必須となるところも多いようです。自治体や通っている園・学校に確認しましょう。
また、許可書や証明書をもらう場所には注意が必要です。診察に当たった医師が総合的に判断することになるので、原則的にインフルエンザと診断をしてもらった医療機関での発行となります。