今回は睡眠時無呼吸症候群の治療法について説明します。
前回までに説明した閉塞性睡眠時無呼吸症候群の重症度、AHIが20以上の中等症〜重症の方はCPAP(シーパップ)という治療をする事になります。
◆ CPAP(シーパップ)療法の治療手順
CPAPとは「Continuous Positive Airway Pressure」の頭文字をとって、「CPAP(シーパップ)療法:持続陽圧呼吸療法」と呼ばれます。
機械で圧力をかけた空気を鼻や口を覆うマスクから気道(空気の通り道)に送り込み、気道を広げて睡眠中の無呼吸を防止する治療法です。CPAP療法は、1998(平成10)年に健康保険適用になりました。
機械は約15〜20cmの両手の上に乗せる事が出来る程度の箱型の本体とそこからのびるチューブ、鼻もしくは鼻と口を覆うマスクから成り立ちます。
睡眠中にマスクを装着し、機械が調節した圧をかけた空気を送る事により睡眠中に塞がった気道を押し広げて無呼吸の症状を改善します。
◆ CPAP(シーパップ)療法の効果
人によっては使ったその日からいびきをかかなくなった、朝起きた時の爽快感が違う、日中の眠気がなくなったなど改善の自覚を得られる方がいます。
またその逆で慣れるまでに1ヶ月以上要したり、いつまでも慣れない方もいます。
CPAP療法は対症療法であり、根治的な治療ではありません。つけている間だけ効果があり、やめてしまうとまた症状がでてきますので継続的な治療が必要とされます。また CPAP治療を続ける事で CPAPを行わなかった場合より長生きできる事がわかっています。
◆ CPAP(シーパップ)療法の費用
日本の健康保険では CPAP療法は機械をレンタルする事が一般的であり、機械の保守点検やマスクやチューブの交換は医療会社が行います。
月に1回病院を受診していただき、使用頻度や効果を確認する事が健康保険でのレンタルの要件となっています。
1回の受診は3割負担の方で約5000円程度となっており、それが診察費用とレンタル費用という事になっています。