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院長ブログblog

沈黙の膵臓がん 血液検査で早期発見!?

膵臓がんは怖い、というのは耳にしたことがあるでしょうか。有名人で言うと、iPhoneやMacを生んだApple社の創設者スティーブ・ジョブズや、野球界のレジェンドとも言える星野仙一監督も膵臓がんで亡くなりました。国立がん研究センターの統計によると、日本で2018年死亡数の多いがん(男女合計)は、肺がん、大腸がん、胃がん、に続いて膵臓がんは第4位。そして、5年生存率は、がん全体で64.1%(2009年~2011年にがんと診断された人)ですが、膵臓がんの5年生存率は圧倒的に低い10%ほどなのです。医学の進歩とともに生存率は上がってきましたが、なぜ膵臓がんの場合はこんなに低いのでしょうか?


◼︎沈黙の臓器「膵臓」

がんは早期発見が大事で、早期治療により完治の可能性も高くなるので生存率も上がります。膵臓の役割は、食物の消化を助ける膵液をつくり分泌することと、血糖値の調節などをするインスリンなどのホルモンを作り分泌することの2つですが、膵臓は、肝臓と同じように「沈黙の臓器」と呼ばれていて、異常が生じてもほとんど自覚症状がないのです。また、肺がん検診、大腸の検診、胃がん検診のような検診は膵臓がんにはありませんし、膵臓は胃の後ろ側、人の背中側に位置しているので、何かの検査の時に見つかるというような、早期発見できる機会も少ないのが現状です。


自覚症状がなく早期発見しにくい、転移もしやすく進行が早い、再発もしやすい、なのに、がんの死亡原因4位で患者数も多い。膵臓がんは非常に悪性度の高いがんということになります。


◼︎膵臓がんの検査

膵臓がんの症状としては、一般的な消化器症状に見られるような、胃が重い、食欲不振、腹部膨満感、体重減少、全身の倦怠感などが挙げられます。また糖尿病の発症・悪化、みぞおちや背中の痛みを感じる人もいます。皮膚や白目が黄色くなる黄疸も、膵臓がんに限って起こる症状ではないものの代表的な症状と言えます。


上記のような一般的な消化器系の症状から、胃や大腸などの消化管の検査だけ行われ、膵臓がんは見逃されやすいのも事実です。また腰や背中の痛みで整形外科を受診して消化器系の検査を受けておらず見逃す場合もあるので要注意です。


膵臓がんの検査としてはまず、症状や危険因子を確認、血液検査や腫瘍マーカーを使用します。これらは膵臓がんでも数値が出ないことや他のがんで出ることも有ります。そして超音波(エコー)検査。手のひら大の大きさの機器をお腹にあてるだけの簡便さがあり、肝臓、胆のう、腎臓、脾臓などのほかの臓器も同時に観察可能で便利です。ただ、膵臓は背中側にあるので、胃腸のガスが多い場合や肥満度が高いとエコーでは見えない死角ができてしまうことがあるのでエコーで膵臓を完璧に観察することは難しく、下記のような画像診断が非常に有用と言えるでしょう。


・造影CT:点滴で静脈に造影剤を入れてCT撮影することで、病変の位置や広がり、血管の位置関係の把握が可能。

・MRCP:MRI装置を用いて胆嚢や胆管、膵管を同時に描出する検査。放射線や造影剤を使用しない。

・超音波内視鏡(EUS):内視鏡の先端に超音波装置が装着されており、大きさが1cm以下の膵臓がんを発見できる割合が85%以上。

CT・MRIについて詳しくはこちら→CT検査で何がわかる?


◼︎採血だけでがんを早期発見!

がんの検査がもっと簡単に早期に正確にできればと願うところ。採血という簡単な方法でのがんの検査は、がん細胞が作り出すタンパク質を測定する「腫瘍マーカー」がありますが、先に述べたように小さながんでは出にくいという点がありますね。血液採取だけで精度も高い「マイクロアレイ血液検査」という最新の技術を用いた検査があるのをご存じでしょうか。がんなどの異物に対する体の反応を遺伝子レベルで測定し、90%以上の精度でがんの有無が分かります。こちらは保険適用外で自由診療になりますが、たった小さじ一杯(5ml)の採血だけで、膵臓、胆道、胃、大腸の4つのがんを検査でき、小さながんにも高い感度で反応するので早期発見が可能となります。沈黙の臓器と言われる膵臓がんの早期発見には、かなり有効と言えます。当院でも「マイクロアレイ血液検査」を行っていますので詳しくはお問い合わせください。


「マイクロアレイ血液検査」詳しくはこちら


膵臓がんの危険因子

○喫煙・・・リスクは1.5倍~2倍

〇年齢・・・年齢とともに発症の可能性は増加、60歳以上に多い

○家族歴・・・家族に膵臓がん患者がいる場合は発症率が高い

○肥満・・・BMI30以上ではリスク1.8倍

○糖尿病・・・リスク約2倍、膵臓がんの初期症状の場合もある

○食事・・・高脂肪食や過度の肉食はリスク増大につながる

○アルコール・・・過度なアルコール摂取はリスクにつながる可能性あり

○慢性膵炎・・・膵臓がんにつながる危険性あり

○職業・・・ドライクリーニングや殺虫剤など塩素化炭化水素曝露にかかわる職業はリスクが高い

○その他・・・O型に比べて、O型以外の血液型はリスクが高い。ヘリコバクター・ピロリ感染によるリスクの増加。また、近年の研究では歯周病・歯周炎により膵臓がんの発生リスクが1.54〜1.74倍増加することが報告されています。