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院長ブログblog

飲むだけで検査できる小腸カプセル内視鏡

身体の中で一番長い臓器はどこかご存じでしょうか?胃や大腸に比べて耳にする回数は少なく控えめな存在ですが、答えは小腸で約6メートルもあります。小腸の病気と言ってもあまりピンと来ない方も多いかもしれません。長さのある小腸は、お腹の中で曲がりくねって収まっていて、胃や大腸の内視鏡では届かないので観察が難しく、長い間「暗黒大陸」「暗黒の臓器」と呼ばれるほどでした。ところがバルーン内視鏡やカプセル内視鏡の登場によって精密検査が可能になりました。特に約2㎝の小さなカプセル内視鏡は、カプセルを飲むだけで長~い小腸の粘膜を観察できるので、患者さんにとって負担の少ない検査方法と言えます。


◼︎小腸って何?

消化管全体の80%を占める長さ約6メートルの小腸。胃と大腸の間にあって、十二指腸、空腸、回腸を合わせて「小腸」と言います。働きとしては、胃や十二指腸で消化した食べ物の栄養分を吸収して大腸へ運ぶこと。小腸の病気はあまりないと思われていましたが、内視鏡を用いた検査が行われるようになり、意外に多いことが分かってきました。胃や大腸を検査しても原因の見つからなかった消化管出血、腹痛や下痢が、小腸の潰瘍病変や血管病変によるものという場合も多くあります。


◼︎飲むだけ使い捨て小腸カプセル内視鏡

カプセル内視鏡は超小型カメラを内蔵したカプセル型の内視鏡です。挿入時に痛みや違和感が生じる心配のある通常の内視鏡検査に比べて、小腸カプセル内視鏡は少し大きめのビタミン剤を飲む感覚で、適量の水で口から飲み込むだけです。長さ26mm×幅11mmのカプセル内視鏡の先端に付いているカメラが、長い小腸の内部を撮影しながら旅をしてくれます。撮影は1秒間に2~6枚行われ、約5万~5万5000枚の画像になり、事前に装着した記録装置(データレコーダー)に記録されます。医師は記録された画像を元に診断を行います。


カプセル内視鏡は狭窄のある患者さんに使用すると小腸内で留まってしまう可能性があるので使えませんが、事前に消化管開通性確認用カプセル(パテンシーカプセル)を使って、カプセル内視鏡が消化管を問題なく通過できるかどうかの確認をします。このカプセルは体内にとどまっても約30時間で自然に消滅するものです。


カプセル内視鏡について詳しくはこちら

◼︎小腸カプセル内視鏡のスケジュール

前処置としては、検査前日の夕食後の絶食のみ。検査当日は朝病院へ行き、胸やお腹にセンサーを付けて記録装置を腰に装着、カプセルを飲んだ後、日中は通常通りの生活をして、約8時間後の夕方来院して装置を外すといった流れが通例です。カプセルは便とともに排泄されるのであらかじめ指示された方法に従い廃棄します。カプセルの排出が不明な場合は腹部のレントゲン検査で確認を行います。


◼︎小腸の病気とカプセル内視鏡保険適応

小腸の病気とはどんなものでしょう?日本人の死亡原因はがんが1位ですが、小腸のがんもあります。その他、消化管ポリポーシス、小腸血管性病変、蛋白漏出性腸症、吸収不良症候群、NSAID腸炎、放射線性腸炎など。


若い人に多いのはクローン病。腹痛や下痢、倦怠感、肛門部の痛みなどが生じます。原因は不明ですが、免疫の異常によって口から肛門までの全消化管、小腸にも潰瘍などの病変ができます。根本的な治療法は確立されていないのが現状ですが、腸管の炎症を抑えるために栄養療法や薬物療法などが行われ、病変の経過観察にも小腸カプセル内視鏡が用いられます。


高齢の方に多いのが、関節や痛み止めの薬、脳梗塞や心筋梗塞の予防で血液をサラサラにする抗血栓薬を飲んでいる場合。それらの薬は胃潰瘍や十二指腸潰瘍、消化管出血を起こしやすいので胃カメラや大腸カメラで出血の原因が見つからず小腸出血が疑われる場合にカプセル内視鏡検査を行います。


これらの上記に挙げた小腸の病気だと既に分かっている場合や、疑われる場合について小腸カプセル内視鏡が保険適応になります。また、胃や大腸の内視鏡検査で診断のつかない原因不明の消化管の出血がある場合も保険が適用になります。