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院長ブログblog

長引く咳に注意 ~咳喘息とは~

風邪を引いて熱や喉の痛みや鼻水は治ったのに、咳だけが長引く・・・
それは「咳喘息」かも知れません。
長引く咳の原因の中で1番多く、約半数を占めているのが「咳喘息」です。

(咳嗽に関するガイドライン 第2版 一般社団法人 日本呼吸器学会より)


咳喘息(せきぜんそく)って!?

“ぜんそく”という言葉を聞くとゼーゼー、ヒューヒューといった喘鳴(ぜんめい)や呼吸困難を連想されがちですが、一般的に喘息と呼ばれる気管支喘息とは違い、咳ぜんそくの場合には症状は咳のみで喘鳴や呼吸困難はおこりません。

また発熱や痰(たん)などの症状もほとんどみられず、空咳が続きます。喉の「イガイガ」や「ヒリヒリ」「かゆみ」を伴うこともあります。


そもそも、咳(せき)はどうしてでるの?

咳は気道が収縮したり、気道の粘膜が過敏に反応することで起こります。

本来、咳は気道内にウィルスなどの異物が入ってきたときに、外敵から身体を守るために気道を狭くしたり、咳で外敵を追い出そうとする免疫の働きです。

異物の侵入を防いで自分の身体を守るための「生体防御反応」なのです。

ところが、咳喘息に限らずですが喘息の場合は、特別な危険がない時にも免疫が過剰に反応して、気道は慢性的に狭くなり、過敏に反応する状態になります。


咳喘息(せきぜんそく)の原因

乾いた咳が夜間から早朝に悪化しやすく、寒暖の差や喫煙などさまざまな原因が考えられる咳喘息。

下記のようないろいろな刺激により、気道粘膜の過敏な反応や気道の収縮により発作が起こります。また、咳の発作が激しい場合には、胸の痛みを感じたり、嘔吐、失神したりすることもあります。


  • 風邪などの感染症
  • タバコの煙
  • 気温や湿度の変化
  • アレルゲン(ハウスダスト・花粉など)
  • 飲酒
  • 食事
  • ストレス

咳喘息(せきぜんそく)の診断基準と治療

<診断基準>

  • 喘鳴を伴わない咳が8週間以上持続、聴診上も喘鳴を認めない。
  • 気管支拡張薬が有効。

<治療>

気管支拡張薬や吸入・経口のステロイド薬で改善します。

治療をせずに放置すると、約3割が本格的な喘息に移行すると言われています。


咳喘息はうつる!?

感染症ではないので他の人にうつすことはありません。

ただ、逆に他の人から感染症をもらってしまうと、咳喘息をもっている人は、さらに激しい咳を誘発するリスクがあるので、感染予防のために手洗いうがいやマスクをつけるなど自身を守るために気をつけましょう。


長引く咳の症状は他の病気の可能性も

咳が長引く病気は、副鼻腔気管支症候群・逆流性食道炎・アトピー咳嗽など他にも多くあります。

「たかが、咳」と侮っていると危険です。結核や肺気腫・肺がんなどの重要な疾患が隠れていることもありますし、咳が続いて身体に負担をかけることで、新たな病気を生むことにもなりかねません。

咳が長引くときはしっかりと原因を把握して治療することで悪化を防ぎ、改善していきましょう。