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院長ブログblog

何度も夜中にトイレに行く人(夜間頻尿)はもしかすると・・・

夜中にトイレに起きるって面倒ですよね。夏はクーラーで身体が冷えてしまうからかな、冬は寒いからかな、と思って放ってしまいがち。ただ、夜中に何度もトイレに起きるようになると、睡眠の妨げになって疲れが取れなくなり、昼間の眠気や倦怠感で日常生活に支障をきたしてしまいます。また、高齢になると睡眠状態から暗い中で立ち上がりトイレに向かうことで転倒によるケガ、骨折のリスクも高まります。「歳だから仕方ない」「病気ではない」と思ってしまいがちな夜間頻尿ですが、意外な原因が潜んでいる場合があります。


■夜間頻尿って?

そもそも夜間頻尿ってどれくらいのことを言うのか、ですね。国際尿禁制学会の定義によると「夜間頻尿とは夜間排尿のために1回以上起きなければならないという訴えである」とされています。加齢とともに頻度は高くなります。


■夜間頻尿の原因

大きく分けると3つ。原因によって対処、治療方法が違うので原因をつかむことが重要になります。


1.多尿・夜間多尿

●多尿(1日の尿が多い)・・・1日の尿量が40ml/kg(体重)を超える場合

例えば体重が50kgの人は40ml/kg x 50kg =2,000ml(2ℓ)を超えると多尿ということなります。

多尿は水分の過剰摂取(心因性多飲、脳腫瘍などにより口渇を感じる中枢性の障害、薬剤の服用反応の口渇による多飲や)、ホルモン異常等による尿量増加や、糖尿病などの内分泌疾患、高血圧、うっ血性心不全、腎疾患といった全身性疾患など様々な病気によるものがあります。


●夜間頻尿(夜間の尿が多い)・・・夜間就寝中に尿量が多くなることで、夜間にトイレに起きてしまうことになります。1日の尿量のうち、夜間の尿量が高齢者では33%以上、若年者では20%以上の場合、夜間多尿といいます。


2.膀胱畜尿障害(あまり溜められない)

膀胱に溜められる量が少なくなることで起こる夜間頻尿。主な原因としては前立腺肥大症、過活動膀胱(我慢しがたい尿意が突然起こる尿意切迫感を伴う症状)、間質性膀胱炎(頻尿・尿意亢進・尿意切迫感・膀胱痛などの症状)が挙げられます。


3.睡眠障害(眠れない⇔トイレに行く)

夜間頻尿と睡眠障害は密接に関係しています。夜間に尿意を感じて起きてしまう、あるいは逆に夜間に起きてしまって尿意を感じるというように、夜間頻尿と睡眠障害は表裏一体の関係にあり、悪循環を招きかねません。


■夜間頻尿の原因、意外に多い睡眠時無呼吸症候群

夜中にトイレに起きてしまう原因として、近年特に問題視されているのが先に挙げた3つ目の睡眠障害。具体的な病名として、睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)と言えば耳にしたことがあるでしょうか。英語名の頭文字をとってSAS(サス)とも呼ばれています。居眠り運転による交通事故発生などのニュースで名が知られるようになりましたが、近年、SASは様々な疾患との関係が明らかになり、夜間頻尿の原因にもなっている他、私たちが健康な生活を送るための重要なカギを握る病気だとわかってきました。


■睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、眠っている間に無呼吸の状態(呼吸が止まっている状態)が繰り返される病気。10秒以上の呼吸停止状態を無呼吸として、無呼吸が1時間あたり5回以上、または1晩(7時間の睡眠中)に30回以上あれば睡眠時無呼吸症候群という診断になります。


寝ている間の無呼吸は自分で気づくことは難しいかもしれませんし、同居人に指摘されても単にイビキがうるさいだけと思ってしまうかもしれませんが、この病気は深刻に受け止めないといけません。


というのも、呼吸が止まる=血液中の酸素濃度が低下し、血圧や心拍が上昇することになるからです。本来なら眠っている間は副交感神経が働いて尿意は感じにくく、膀胱はたくさんの尿を溜めることができるのに、呼吸が止まって、血圧や心拍の上昇で交感神経が働き、身体が起きている状態になり膀胱が収縮しやすく、尿意も感じてしまうということです。


睡眠時無呼吸症候群の治療をして、睡眠時もしっかり呼吸し副交感神経を優位に保つことで、夜中のトイレに起きなくなったということはよくある話です。夜間頻尿が治まると夜中に起きることがなくなり、睡眠の質が改善され、日中の活動の質も上がるということになり、良い循環が起こりますね。


睡眠時無呼吸症候群(SAS)の潜在的な患者数は日本でも300万人~400万人と言われており、放っておくと高血圧や心筋梗塞、脳卒中、糖尿病などにつながるリスクがありますが、適切な診断と治療を行うことで様々なリスクから身体を守ることができます。SASが夜間頻尿の原因となることも多いので、イビキの症状がある方は一度検査をお勧めします。


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