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院長ブログblog

ピロリ菌除去で胃潰瘍・十二指腸潰瘍リスクを減らす

胃が痛くても「いろんなストレスがあるしね・・・これくらいは大丈夫か」と自己判断していませんか?胃潰瘍や十二指腸潰瘍はストレスが原因というイメージで、ストレスの多い現代社会では胃潰瘍や十二指腸潰瘍の患者数も多いと思われがち。しかし、実はどちらの患者数も確実に減少しています。胃潰瘍は患者数の多かった平成5年ごろの約4分の1、十二指腸潰瘍は昭和59年ごろの約10分の1まで減っているのです。キーワードはピロリ菌です。今日は胃潰瘍や十二指腸潰瘍の患者数が減っている理由をご説明します。


◼︎胃潰瘍や十二指腸潰瘍って何?

胃はご存じのように、口から入ってきた食べ物を胃液によって消化するところ。胃液は強い酸(胃酸)なので、食べ物以外にも、ウイルスや細菌の増殖を抑えたり、殺菌したりもしてくれます。そんな強い胃酸から身を守るために胃の内側の壁全体は粘液によって守られています。しかし、ある原因により過剰に胃酸が分泌されることで、胃酸と粘液のバランスが崩れ、胃や胃と小腸を結ぶ十二指腸の壁が深く傷つけられ炎症が起こる病気です。発症年齢としては中年以降に胃潰瘍、若年層(20代~40代)は十二指腸潰瘍を発症しやすい傾向にあります。


◼︎胃潰瘍や十二指腸潰瘍の症状

胃の周り、みぞおちの痛みや背部痛、食欲不振、胸やけ、吐き気などの症状が現れます。そのまま潰瘍を放置していると、吐血や下血(黒色便など)がみられることもあります。また、穴(穿孔)があいて激痛に襲われ生命にかかわることにもなりかねません。胃潰瘍の場合は食後の腹痛、十二指腸潰瘍は空腹時や夜間に腹痛が起こり、食事をすると一時的に治まることが多いようです。しかし、人によっては痛みや不快感がないまま急な出血、穴(穿孔)があくこともあるので、注意が必要です。


◼︎胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因

[ピロリ菌]

胃潰瘍や十二指腸潰瘍の原因はストレスだと思われがちですが、実はピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)が主な原因だと分かってきました。最近では皆さんも耳にしたことがあるのではないでしょうか。ピロリ菌と聞くと少し可愛い響きですが、子どものころに一度感染すると、除菌するまでは胃の中に一生棲み続けられてしまいます。胃液の強い酸(胃酸)は、金属でも解かしてしまうほどなので通常であれば細菌は存在しないのですが、大人になるまでの胃は酸が弱く感染してしまうのです。そしてピロリ菌が持っている酵素がアルカリ性の物質を作りだし、胃酸と中和することで生息が可能になっていると考えられます。またピロリ菌が活動すると、活性酸素やある種の毒素も発生し、粘膜を傷つけ潰瘍ができることが分かっています。感染していると炎症は続くものの、自覚症状がない場合がほとんどです。


[非ステロイド性抗炎症薬:NSAIDs]

最近では痛み止めの薬によって起きる薬剤性潰瘍も増えています。解熱、鎮痛、炎症を抑える非ステロイド性抗炎症薬:NSAIDs(血栓症の予防として処方されている低用量アスピリンを含む)は、粘膜を傷つけてしまう働きと、粘膜を保護する物質作りを抑える働きがあるので、胃の粘膜をしっかり守れなくなり潰瘍ができやすい状態になります。


◼︎胃潰瘍・十二指腸潰瘍の検査

潰瘍には良性の潰瘍のほかに、悪性腫瘍(がん)が潰瘍を作る場合もあるので、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の症状に当てはまる場合には、内視鏡検査(胃カメラ)やバリウム検査(X線造影検査)を行います。診断精度が高い内視鏡検査(胃カメラ)では、潰瘍の有無だけでなく、組織の一部を採取して顕微鏡による病理検査で良性・悪性(がん)の確認が可能ですし、ピロリ菌の有無も確認できます。


内視鏡検査について詳しくはこちら

https://seikohkai-hp.com/gastro-fiberscope/


◼︎胃潰瘍・十二指腸潰瘍の治療

治療は基本的には内服薬で、胃酸の分泌を抑える薬や胃粘膜の防御機能を高める薬を用います。通常は6~8週間で潰瘍は治癒しますが、胃酸の分泌を活発にする脂肪分の多い食事や刺激物、喫煙やアルコールも控え、普段の生活習慣の見直しが必要です。直接的な原因としては、ほとんどがピロリ菌と薬によるものですが、ストレスや食生活などの生活習慣も症状悪化の要因となるからです。ピロリ菌がいる場合には再発予防のために除菌しましょう。


◼︎ピロリ菌を除去しよう

胃潰瘍や十二指腸潰瘍の人の80%~90%はピロリ菌感染者と言われています。感染していると、胃潰瘍や十二指腸潰瘍だけでなく、胃がんの発症リスクも高まるので除菌治療を行いましょう。7日間薬を服用することで除菌します。ただ、一度ピロリ菌に感染すると除菌をしても胃がんリスクがゼロになるというわけではないので定期的に内視鏡検査を受けることをお勧めします。

冒頭にお話しした胃潰瘍や十二指腸潰瘍の患者数減少の理由は、ピロリ菌の存在が広く知られるようになり除菌治療を行う人が増えたので、胃潰瘍や十二指腸潰瘍を発症する人が減ったというわけです。日本人の約半数が感染しているとも言われているピロリ菌。調べたいけれど内視鏡検査(胃カメラ)による検査に抵抗があるという方に、当院では自費診療にて血液検査も行っています。

昔は再発しやすく完治が難しいといわれた胃潰瘍や十二指腸潰瘍も、今は良い薬やピロリ菌の除去で完治が可能になりました。胃の痛みを「ストレスでよくあること」と思い込み放置しないように、胃がん予防も兼ねてまずはピロリ菌の検査をしてみてはいかがでしょうか。

詳しくはこちら

ABC検診(胃がんリスク分類、ピロリ抗体検査 × ペプシノーゲン法)とは?